壱岐の島　いそき家＆磯喜屋

昔話・・その当時は何もかもが真剣、真面目、でも思い出すと
まぬけな話ばかり・・　思い出す・・・・悔しい表彰台
中学２年の登校時、いつもの踏切にさしかかる　人と自転車が多い
軽自動車　自転車を除けて通路路肩に落ちる、線路に引っかかり
動けない・・　通行人の大人が数名車を押している・・
すると、「かんかんかん」警報機が鳴り出す。・・・・　みんな驚く
車から運転手も飛び出す。その踏み切り左から来るのか右から？か
指示灯がない！右に３０ｍほどで駅だ早く知らせなければ・・
　ここで磯子の活躍
同級生の男子２名に大声で言った、「駅の方向に線路つたいに走り
早く駅員に知らせて！」　「急いで走って」
「磯子は反対方向に走り電車に知らせるから～」　「急いで」
大人たちは車を押している・・・
磯子制服の白いスカーフを取り手に持って振りながら線路を走る・・・
ＴＶさながらのドラマだ・・・
線路が音を立てる少し恐怖・・あ～ブレーキ音が聞こえてくる・・
笛の音が「ピイ～」鳴り響いた、男子が駅員に知らせたんだ！安堵
磯子立ち止まり　振り返る、電車は磯子の反対方向から来ていた。
車を押す人が増えていた。車が踏切から無事出ることが出来た。
よかった～　何事も無く　すんだ。　でも結末は翌日の朝礼にあった。
全校朝礼で体育館に集合となった。　警察官と背広姿４名、記者、
カメラマンもいた？何事？

　校長　「昨日登校時、踏切事故を未然に防ぐことが出来ました。
　これは、当校の生徒が危険を察し、対処をした事で事故を防げました。
　今日は警察からと駅長、市長からの感謝状が贈られることになりました」

　　磯子ドキドキ！下を向いて恥ずかしい～　
　「２年　山田太郎君、　２年　中村二郎君、前に出てきて下さい。」
　え！磯子じゃないの？　　電車の来る方向、駅員に報せた男子２名が
　表彰台に上がり、撮影されている・・・Ｖサイン　磯子の方を見ながら・・
　市長からの記念品まで貰っている。市のシンボル「野路菊賞」
　磯子のイの字も出てこない・・・　この時の磯子の活躍を誰も知らない
　わざわざ、山田と中村は表彰状を見せびらかしに磯子に報告しに来る

　次の日　もちろん新聞にもでかでか載っていた・・・ついてない・・
　磯子の人生はこんなもんだ・・・
　でも数日後、踏切を差し掛かると、一人の大人が磯子に言った。
　「お姉ちゃん、勇気があったね、君が居なかったら危なかったよ」
　磯子を見ていた人が居た。　うれしかった。表彰台に上がるより
　記念品を貰うより　うれしい言葉をかけてもらった。