磯子の　芸は身の仇　

　「寅さん」
前略　
車屋の皆様　お元気でしょうか
　さくら　今兄ちゃんは壱岐の島でゆっくり島の旅を味わってるところです。
　玄界灘に浮ぶ　小さな島ですが　景色はいいし　人情味あって　いいところです。
おいちゃんやおばちゃんにもここの温泉に入れば　後10年は長生き出来そうです。
　事情があって　暫く　この島で民宿の手伝いをする事になった、秋には
　また　車屋に顔出すから心配するな　たこ社長や亭主に壱岐焼酎を送ります。

　さくら　おいちゃん　おばちゃん　体に気をつけて　達者でな　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　車　寅次郎

　この作品は　寅さんが亡くなった年に書きました。
　数箇所のロビー展示で各施設を題材とした手紙を作品の下に
　添えていました。　皆さん　ふと　足を止めて手紙を読んでいます。
　でもその手紙を目で追っていると　寅さんの声が聞こえて来る様で
　立ち去ると　寅さんが「ありがとう　達者でな」と声掛けられてる気になると・・

　民宿の食堂に展示しています。　きっと　寅さんが
　　「　良く来たね～　何処からだい？　まあゆっくり座って　壱岐の焼酎でも
　飲んで　ゆっくりして　遠慮はするんじゃないよ　」　と
　　聞こえてくると思います。

　磯喜屋では「芸は身の仇」　磯子の作品を展示させて頂いています。
　HPでも掲載しております。